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Diaryではない何か。

はじめてのケータイ

この年になるまで一度も自分の携帯電話というものを持ったことがなかった。

もしかしたらもう自分は一生使うことはないかもしれないと思っていたが、必要に迫られ遂に買いに行くことになった。

 

大型電機店で携帯電話の売り場を見ていると、30代後半ぐらいの女性店員さんが声をかけてきた。

乗り換えですか、とか聞かれて新規ですと答えた。そしてまるっきり初めてなんですと正直に答えたらぽかーんとした顔で驚かれた。

 

半信半疑のようだったが、こちらから「この値段は買い取りの値段なんですか?」「今の携帯ってみんな写真撮れるんですか?」「これインターネットもできるんですか?プロバイダー契約は?」「自宅の電話NTTなんですけど、どのメーカーの携帯買っても使えるんですか?」「テレビ見れる携帯って受信料払わなくていいんですか?」など、その時点で自分が本当に知らなかったことを質問していく内に、店員さんの顔がみるみるぱーっと明るくなって、「わたし今、すっごく楽しいです! ほんとに携帯初めてのお客様に会ったの初めてです!」と、まるで夢見る少女のようなキラキラした瞳で見つめられた。

 

保護者付添いの中学生とかお年寄りとかじゃなく、中年男が一人で来店してこんなことを言ったという意味で驚いたのだと思う。

 

この反応は自分としては正直ラッキーだと思った。もし若い店員から声をかけられ正直に携帯電話初めてなんですなんて答えたら、その瞬間ドン引きされ、あげくどうせ何も分からないだろうということで高い料金プランを勧められたりするかもしれないと本気で心配していたからだ。

 

そしてその瞬間、メーカーがどこであろうと「俺はこの人から買う」と心に決めたのであった。

 

その後も「押しボタンがないのがスマホ?」「ガラケーって何?」などの質問を幾つも重ねてようやくいわゆる普通の携帯電話を買うことにした。

料金プランも、電話とメールがメインで時々ネットという条件で最も適切なプランを選んでもらった。

 

会計も済ませ、その場で電話がかけられるところまでしてもらい、こちらからの最後の質問は、「市内に電話するのでも市外局番必要ですか?」だった。

 

帰り際、ありがとうございますの言葉とともに「勉強になりました」と言われた。

携帯電話のことを全く知らない客に対する接客の仕方を学んだという意味なのだろうと思う。

 

こちらこそ、本当にありがとうございましたと頭を下げて売り場をあとにした。

 

家に帰ってからも本当に分からない事だらけで、今現在文字の打ち方が分からない。

文字打てないからメールできない。自分のパソコンのGmailから携帯宛てにメールを送って、それへの返信にタイトル/本文なしの空メールを送った。ちゃんと届いて嬉しかった。

 

果たして人並みにケータイが使えるようになるのはいつになるのだろう。頑張るしかない。

 

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