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Diaryではない何か。

ビストロタモリ


スマスマ、先週に続きタモリ2回目の出演。
今週は料理対決がメインだったので、おもしろトークはあまり聞けなかった。


先週話していた、タモリが世に出るきっかけとなった山下洋輔とのホテルの一室での劇的な出会いについては、彼の著書「ピアノ弾きよじれ旅」に詳しく書かれている。

唄い踊っていると、部屋のドアが開いて、知らない男が、中腰で踊りながら入って来た。あざやかな手つきだ。時々、ヨォーなどと言いながら中村の側までやって来た。それから妙な手つきで、中村の頭から籐椅子をとってしまい、自分がかぶって踊り続けた。我に帰った中村が、踊りをやめ、凄い勢いでまくしたてた。
少しは自信のあるデタラメ朝鮮語でだ。すると驚いたことに、この男はその三倍の勢いで同じ言葉を繰り返した。この照り返しにびっくりした中村はそれならと中国語に切り換えた。
男は五倍の速さでついてきた。これはいかんとドイツ語に逃げた。ますます男は流暢になった。イタリア、フランス、イギリス、アメリカと走り回るうちに、男の優位は決定的になってきた。最後に男の顔が急にアフリカの土人になってスワヒリ語を喋り出した時は、おれはたまらずベッドから転がり落ちた。すでにそれまでに、笑いがとまらず悶絶寸前だったのだ。
中村はいさぎよく敗北を認め、ところであなたは誰ですか、と訊いた。「森田です」とそいつは答え、これがおれにとってタモリの最初の出現だったというわけだ。

とても有名だけど、何度読んでも有り得ないエピソードだなぁ。
なんだか昔録った「今夜は最高」のビデオがまた無性に見たくなった。

ピアノ弾きよじれ旅ピアノ弾きよじれ旅
山下 洋輔

徳間書店 2000
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