Faint::Blog

Diaryではない何か。

デ・ジャ・ヴュ

「この空、いっつも同じだな」


NISSIN カップヌードルのこのCMには既視感があった。
ずっと昔に読んだSF小説のシチュエーションと同じなのだ。

作者名、作品名はおろか、もうそのストーリーさえも覚えてはいないのだけれど、ただその導入部分が印象的でそこだけがかすかに記憶に残っていた。


一人の若者が空を見上げてつぶやいている。
「この空と同じ空をずっと前に見たことがあるような気がする」


すると、近くに腰掛けていた老人が驚いたような顔をして若者を見上げて立ち上がり、その若者に聞こえるようにしてつぶやいた。


「ほう、驚いたのぉ。この空はもう2年は使ったことがなかったから、そろそろ大丈夫だろうと思って使ったんじゃが……」


それだけつぶやいて老人は立ち去っていく。


覚えているのはこれだけ。確か、地球の大気汚染が進んで青い空が失われ、人工の空の映像をプロジェクタに映して再現しているという設定だった。
カップヌードルのCMの世界とは異なり、ごく一部の人間を除いてこの事実を知っている者はいないという設定だったはず。


なんていう小説だったかな。初代の「奇想天外」あたりに収録されていたショートショートだったような気もするけれど、もう記憶を辿れない。

暇なときに本棚をひっくり返して探してみよう。


NISSIN FREEDOM-PROJECT
http://freedom-project.jp/