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Diaryではない何か。

オープニング

作業着姿の男がマンション脇の歩道にカラーコーンを4個四角形に置き、その中にブルーシートを敷いている。その空間、縦横約3メートル。
部外者が立ち入りできないようカラーコーン同士を仕切り棒で繋いでいる。
通行人は誰一人その光景を気にとめることもなく足早に通り過ぎていく。
男はその作業を終えると、マンションの正面入り口の方に向かってゆっくりと歩いていきそのまま中へ消えた。
その表情はなんだかかすかに微笑んでいるように見えた。


約5分後。ドン!と大きな鈍い音と共に軽い揺れがおこり、通行人がその音のした方に目をやると、さきほどの男がブルーシートの中に倒れていた。
すぐにそのブルーシートは赤く染まり、現場近くにいた若いOLがその光景に悲鳴を上げてしゃがみこんだ。

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飛び降り自殺をするのなら、せめて実行前にその場所の下見ぐらいはしておくべきだ。
どんな死に方を選ぼうとも多くの人に迷惑を掛けることに変わりはない。
でもせめて最低限、他人を巻き添えにすることだけはなんとしても避けなくてはならない。
他人の人生をも奪う権利は誰にもないのだから。

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少なくとも多くの人から好感をもたれるエントリーじゃないだろうということはわかっている。このタイミングでこれはないだろうということも。
でも書かずにはいられなかった。
今、自分の中に悲しみと怒りとがある。これをこのまま身体の中に溜めたまま眠れそうになかった。


いや、悲しみと怒りというのは正しくない。もっと乾いた突き放した感覚。“きっかけ”を得る為に自分の中に増幅させ偽装された感情。嘘ではないが本当でもない心の有り様。


悪い気持ちを吐き出すためのエントリーが、あってもいいじゃないかと思った。


きっかけエントリー ----------
真性引き篭もり/悪いエントリーを投稿する人、悪いエントリーを投稿せぬ人。